例えば風邪をひいて
味がよく分からない時の
ひとくちひとくち自分の感覚と
繋がろうとする時のような一生懸命さで
今と繋がる。
自分と繋がる。
いまだ来ていない
未来を心配する心が
ふとした瞬間に暴れ出す時
自分は今ここにはいなかった。
些細なことに
反応を繰り返す自分の心が辛くて
暗闇の中駆け込んだ。
色んなものが遮断され
次第に
自分の浅くなった呼吸さえ
今ここにあったことに気づく。
無意識に合わせた
右の手のひらと 左の手のひら
何も見えない暗闇の中
両の手の平のぬくみが
“今ここ”にあった。確かにあった。
今ここにある感覚と繋がる。
その繰り返し。
地に足がついた気がした。
繋がっていく。
何度でも何度でも。