何年か前に
バスキアの展覧会に行った時のこと。
小さな男の子が1枚の絵の目の前で
じーっとその絵を見ていた。
その作品は撮影OKで
そこにいた人達はスマホを取り出して
カシャカシャと音を鳴らしてた。
するとお母さん
「邪魔になるからこっち来なさい。」
そう言った。
その空間で一番
絵をよく見ていたのは
小さな男の子の方で
真剣に絵を観ていた人を邪魔したのは
スマホのカメラを構えてた
大人たちだと僕にはそう思えた。
スマホを構えてた大人たちの中に
真剣にその絵を見てた人はいたのだろうか。
なんだかなぁ。
男の子はその絵を通して
何を見ていたのだろう。
1枚の絵をじーっと見つめてた
男の子の集中力を今も時々思い出す。