なんだか心がざわざわしてるのを感じて
どうしたら心が整うのか
考えながら帰り道を歩いた。
本屋で答えを探しても見つけられず
ベンチに腰掛け一息をついた。
目を閉じると少し強い風が
僕にぶつかりながら
留まることなく
どこかへ去っていくのを感じた。
なんだか今日は
ざわざわと風も強く吹いている。
思考から感覚に切り替わる時
ほんの少し前まで
自分の人生の操縦席のような
大事な場所を何か別の者に
奪われていたような
そんな怖さがある。
「ああ、今日は風が強いな。」
そんな認識と同じように
心を観察する。
「ああ、今日はざわざわしてるな。」
強い風を止めることが
できないように
抗うのをやめてみた。
決して写真映えのする空の色じゃない。
それでも刻々と変化していく
何気ない空の色が
急に特別に思えて
不思議と何かが込み上げる。
あぁ、
見え方が変わったのだとハッとした。
いろカタチの変化ではなく
目に映る景色が
別の世界に切り替わる
そんな一瞬。
さっきまでざわざわしていた
心が
少し嬉しそうだった。